相席屋

ORIENTAL LOUNGE 横浜編その1

ORIENTAL LOUNGEからのお持ち帰りに成功した私は、(参照:ORIENTAL LOUNGE|Let’s Go ポシャリーマン! (poshari-man.com))調子に乗って毎週当該店舗に通うようになっていた。そして気付けば月極会員となっていた。会員にもいくつかのランクがあるが、私が入ったグリーン会員は、21時までの1日1時間、相席料金が無料になるというものだった。会費は月々1万。週末の相席料金が10分750円であることをふまえると、悪くないと思った。

しかしそれからというもの、私はろくに収獲を得られないでいた。そして何度か通っているうちに気づいたことがある。

ぼっちで相席居酒屋は無理ゲー

そもそも1人で来ている女性が少なく、行ったところでいっこうに女性と相席できないのだ。周りでどんちゃん盛り上がってる中、1人ですかして飲んで帰る事もあった。

仮に来ていたとしても、1人で来ている女性は総じて陰キャだった。陰キャを否定するわけではないが、自分の好みのタイプは完全にキャピキャピの陽キャなのだ。来る人来る人、ことごとく垢の抜けない女性かタダ飯乞食、そして怪しい個人事業主ばかりだった。そして店内で私が気になるようなきゃぴきゃぴ系は、必ず2人か3人組で来店していた。当然と言えば当然かもしれない。

これじゃあいかん。そう思った私は、ツーマンセルで臨むことを決意する。実は“SOLOTTE!”というORIENTAL LOUNGEの携帯アプリには、お店に行く同性のパートナーを募集できる掲示板がある。これを利用することにしたのだ。

ある日の晩掲示板を見ると、これから横浜店へ行くパートナーの募集がかけられていた。相手は20代後半の営業マン。さっそく掲示板に書き込み、一緒に参戦する運びとなった。

この日はとくに収獲を得ることはできなかったが、1人で参戦するのとは雲泥の違いだった。入店すればすぐに女性と相席でき、入れ替えもそこそこの頻度で行えた。もう1人で行くのはやめよう、そう心に誓った。

これから記すのは、そんなある週末の夜のお話。

例の営業マンからLINEが来た。

”今日よかったら軽くいかない?”

乗らない手はない、もちろん快諾。たまってるブログの執筆を放って、一路横浜へ向かった。

18:15横浜駅着。先に一杯引っ掛けようということで、1番街へ向かう。いわゆる大衆居酒屋の集まるエリアだ。

緊急事態宣言なんて無かったかのように、店内は超満員。街はすっかりかつての活気を取り戻していた。

生ハムにソーセージ、唐揚げ、ステーキ

肉しか頼んでない。それらを頬張ったところへ一気にビールで流し込む。口いっぱいに広がる肉の旨味、塩味、油、からのビールの爽快感。周囲の活気と週末の高揚感も相まり、久々に飲む大衆居酒屋のビールは最高にうまかった。1時間ほどだっただろうか、互いの相席屋談義に花を咲かせた。

そして7時を回った頃、いよいよ出陣。アプリで店内の男女比を確認すると25:28。やや女性が多い、いい感じだ。

足早に店舗へ行き、受付を済ませて店内へと案内される。相席スタートだ。

1組目
年齢は26,7くらいだろうか。細身の綺麗系でスタイルのいいお姉様方だ。一目で美意識の高さがうかがえた、と同時に取っつきづらさも感じた。たしかエステティシャンだったように思う。昼間は2人でスパに行き、その足でここに飲み食いしにきたとのこと。それなりに奮闘するも盛り上げられそうになかったので、20分そこらでローテーション希望を出した。

2組目
25と31バツ1。25はおとなしい子で、基本的に終始聞き役。ほとんど31の方がしゃべり倒していた。ぽっちゃりだし異性としては全く見れないが、年が近くて意気投合したこともあり、31の方は話してて面白かった。よく飲むのは日本酒。好きな食べ物はラーメン焼肉、まるで少年だ。そしてこれまで摂取したカロリーはしっかりとその身に付いていた。

飲み友としては非常に良さそうだったが、今の自分が求めているのはそういうものじゃない!お手洗いに行ったタイミングでローテーション希望を出す。20分ほどでまた移動。

3組目
20歳の大学生2人組。この年代の女性特有の無敵感を宿した、なかなか小生意気なかわい子ちゃん。その小生意気な感じがまた楽しかった。

連れ出して飲みたいなあ。そんなふうに思った矢先、女性側がローテーションで移動。10分くらいだっただろうか、あまりに早い。連絡先も聞きそびれ、そのまま逃してしまった。相方の方も好印象だったようで、2人して残念がる。

4組目
記憶が曖昧。たしか保育士さん2人組。歳は23くらいだっただろうか。アムウェイあるあるトークで盛り上がった気がするけど、てきとーな時間にローテーション希望を出す。

5組目
時刻は9:30をまわっていたように思う。パティシェ (21)、とエステティシャン (23)。自分は最初エステティシャンと話した。本当にエステティシャン?と思うくらいに、お肌の調子は良くなかった。そしてとてもおっとりしている。彼女の周囲の空間だけ0.5倍速って感じだ。

話を聞いていくと、2人とも副業でキャバをしていて、そこの先輩後輩の関係とのことだった。パティシェの方はチャキチャキ系でノリがよく元気な感じ。こっちと話してえ、、、と思うも、こういう時こそ頑張ってみんなで盛り上がるようにするのが、ツーマンセルのマナー。そう思い、かれこれ20分くらいエステティシャンと話した。

しかしおっとりエステティシャンは、いくら話してもリアクションがおっとり。あまりにおっとりとした落ち着いた雰囲気で、年齢当てゲームを持ち掛けられた時、自分なりに低めに見積もって26と答えてしまった。てきとーに笑ってごまかしたけど、えらい気まずかった。

もうダメ、無理

僕の心が折れかけたとき、相方の方が席を移動した。たまたまなのか、俺の精神的撃沈を目の当たりにしてなのかは分からないが、大変助かった。

今度はパティシェの方と話す。なかなかミニなスカートを履いていて、大変にテンションが上がった。先ほど年齢当てゲームでやらかしたことをボヤいたら笑っていた。どうやらいつものことらしい。

なんだよ!それならそうと言ってくれよ!やらかしてもなお何も言わずにニコニコされてても怖いわ!とんだ気苦労だ。

またすぐにローテーションの可能性があったため、てきとーなタイミングで2人の連絡先を貰った。相方に連れ出しを提案すると、任せるとのこと。

するとここで、女性側に移動の案内が来た。切り出すにはすごく微妙なタイミングではあったが、外で一緒に飲むことを提案。わりと肯定的な反応を示すも、店員の案内の前でこれはタイミングが悪すぎた。2人は次のテーブルへ行ってしまった。しかしパティシェがあとで連絡をくれるとのことだった。

ここで退店、思ったより長居してしまった。お会計は自分の会員特典を利用しても27,000円。

おもむろに財布から9,000円を出す相方。

”お釣りはいいです”

???

17,000円と聞き間違えた?年上だし、まあいいか。そう思い、残りを支払った。

会計を済ませて退店し、今度はナンパバーことパブリックスタンドへ。

入店するも、相方が文無しとのこと。

(おいおいおーい!)

酔ってなかったらツッこんでたところだが、2人分支払った、2,200円。

3組くらいに声をかけるも、ことごとくいなされる。最後の組はそれなりに話せたが、連絡先交換は断られた。なんて塩対応だ!

時間も時間だったため、ここで解散。

携帯を開くと、先ほどのパティシェから、これから2人で飲みたい旨のLINEが来ていた。浮かれたポシャリーマンもといチョロリーマンはこれを勝ち確演出と判断、目の前の終電を捨てることに決めた。

しかし合流しようにも、相方のエステティシャンが盛り上がっていて、まだ解散できそうにないとのこと。ちんこを勃たせ、1時間ほど深夜の横浜で時間を潰した。それでもなお、2人は解散できずにいた。

最終的に、また日を改めて会うことになった。無駄に終電を捨てた私は、駅前の漫喫で一人一夜を明かしたのだった。