ORIENTAL LOUNGE 横浜編その1|Let’s Go ポシャリーマン! (poshari-man.com)
ORIENTAL LOUNGE 横浜編 その2|Let’s Go ポシャリーマン! (poshari-man.com)
まずはじめに、続きがあることを示唆しておきながらこれだけ更新が遅くなった事を陳謝したいと思います。これからできる限り綴っていきますが、なにぶんそもそも中身があまりない、そして時間が経過したことによる詳細の忘失により、短めになるかと思われます。その点にご留意のうえで楽しんでもらえたら幸いです。
タンしか勝タン
前回、新潟の女神ことまおちゃんのホテル搬送に失敗したポシャリーマンであったが、懲りずに彼女との連絡は継続していた。そんなおり、気になってる焼肉屋があると彼女は言い出した。そこらへんのサラリーマンよりずっと稼いでいるキャバ嬢の事だ。金箔の散りばめられた肉の出る店でも出してくるのだろうか。インスタで気になってたと言うその店をすぐに食べログで検索にかけたところ、出てきたのは意外にも庶民的な価格帯の店だった。場所は横浜、和牛ラボ。ひとまず胸を撫でおろした私は、再び彼女と食事に行く約束を取り付けた。
相変わらず彼女は誤字が多い。会うのは11/2、翌日は祝日。これは何かが起こるかもしれない、そんな期待をおおいに抱き、入念なVIOの剃毛を済ませて眠りについた。
翌日、いつも通りに業務をこなし昼休みに携帯を開くと、彼女からLINEが来ていた。
唐突に営業がきた。正直、一度キャバクラには行ってみたいと思っていたため、了承した。またそれがいわゆる同伴と呼ばれるものであることを、私は事前調査済みだった。特定のキャバ嬢と食事をしてから店に行くことで、追加料金が発生するのだ。料金は90min SET/10,000円。夜の遊びである以上、ある程度の出費は仕方がない。むしろ行くからには、何も気にせず楽しまなければ。なお赤線部分は、相席屋に来ていた相方のエステティシャンだ。彼女はやたらこの相方と一緒に飲むことを望んでいたが、自分はというと別に会いたくもなかった。しかし入店したばかりの彼女の唯一の話し相手ということで、無碍に扱うわけにもいかない。とりあえずその時の流れに任せることとした。
仕事終わり。定時ダッシュを決め帰宅する。急いで身支度を整えていざ横浜へ。着いたのは7時をまわった頃だった。前回と同じくJR側の交番前で待っていると、白いシャツにタイトスカート、高いヒールを履いて颯爽と歩く女性が近づいてきた。彼女だ。もう11月だというのに、彼女は相変わらず薄着だった。
!
一瞬彼女の胸元に釘付けとなった。やけにゆるい彼女の胸元からは白いブラがわりとがっつり見えていたのだ。そして彼女の乳房がわりと控えめであることも視認できてしまった。
(同伴だとやっぱ気合入ってこういうサービスがあるのか?)
そんなことを思いつつ店へと向かう。
焼肉屋はモアーズ側の川を渡った先にあった。店員に予約時間と名前を伝えると、奥のテーブル席へと案内された。掘りごたつ式の大きなテーブルに2人対面して座る。
(やけに遠いな、、)
そう、テーブルが大きいあまり、彼女との距離がやけに遠かったのだ。食事をするにはいいが、女性と2人で来るにはいまいちだった。2人並んで座る手もあるが、ポシャリーマンにそんな提案はできなかった。席で一息つき、2人でメニューを眺める。牛肉を見ていくと、2種類の肉があることがわかった。並か上かだ。牛カルビが890円、対して上カルビが2,190円といった具合だ。想定していた価格帯と少し違う気がしたが仕方ない。どうせならうまい方を食べたい。見栄も張りたい。
これ食べよー
そう言う彼女が指さしたのは牛ハラミ、並の方だ。
(天使かよ!めっちゃ気遣うじゃん!でも10コも離れた娘に気を遣わせるのはさすがに情けない!)
いいね!あと上カルビとネギ塩上タンもいこう!
えーこっち(並)でいいよー
天使は並推しだ
そうかあ、じゃあカルビはこっち(並)にして、タンだけはこっち(上)にしよう!
いいね
そうして2人の折衷案を注文し、ビールを飲みながらしばし談笑した。
そうこうしているうちに肉がやってきた。
(、、、、、、)
大皿に並べられた牛カルビと牛ハラミは、どことなく薄く、全体的に貧相に見えた。頼んだ以上は仕方がないので焼いていく。薄い、とにかく薄い。松屋のプレミアム牛めしに匹敵する薄さだ。その薄さゆえ網に並べる時にいちいち広げていくのがまた手間だった。そして並べているそばからどんどん肉が焼けていく。ペラペラの肉をタレにつけ、口へと運ぶ。
(おいしくない、、)
うまー
大事なのは何を食べるかじゃない、誰とどのように食べるかなのだ。私は美味しいものを食べたいのでなく、女の子と美味しく食べたいのだ。そう自分に言い聞かせ、脂っ気のないスライス肉をビールで流し込む。
少し遅れてネギ塩上タンがやってきた。
おおおっ!
もうあからさまに見栄えが違った。皿には笹の葉が敷かれ、その上で隠し包丁のあしらわれた極厚の牛タンが小山を築いていたのだ。明らかに手間がかかっており、きめ細かなさしの入ったその断面からして味が確約されていた。さっそく網の上に乗せるも、焼けるのに時間がかかる。そう、本来こうあるべきなのだ!私は牛丼でなく、焼肉を食べに来たのだ!
*ここまで読んだ読者は疑問に思っただろう、なぜ風俗ブログで食レポをしているのか?と。答えは簡単で、単に何を話したか覚えていないのだ。ただでさえ10コ下のイケイケ娘とノリだけで話した内容など記憶に残らないのに、そこからさらに時間が経過したことで肉の印象ばかり強くなってしまったのだ。
バブリーガール
彼女もまた、美味しそうに牛タンをほおばっていた。以前にも書いたが、彼女はパティシェとキャバ嬢の二足のわらじで働いている。昼間は普通にパティシェとして18時まで働き、22時からキャバクラへ出勤。深夜の3時に仕事をあがると、また7時に起きて出勤。そんな生活をほとんど休みなく続けていた。
超人的な働き方してるよね。よく体もつよねー、俺には絶対できないやw
けっこう平気なんだよね、朝も全然起きれるし
マジで?w俺には考えられんw同僚で同じような働き方してる元気の塊みたいな人がいたけど、その人と似た物を感じるよw
ただ長く続ける気はないよ?あと2年くらいかなあ
そうなん?
うん、1000万貯まったらやめるんだあ
え?えらwどうして1000万なん?
老後とか、将来に備えて。こう見えてちゃんと考えてるんだよー
1000万なんて、今の働き方してたらあっという間じゃない?2年もかからんよね?
うーん
ここで私にはピンとくる物があった。
相席屋の相方に連れられてホストへ行ってきたけど全然楽しめなかった、と以前彼女は話していたのだ。
ひょっとしてあれからもホスト行った?w
彼女は何も言わず、こどものように無邪気に笑った。
え?wおいおいおいおい!w楽しくなかったんじゃないんかよ!w
いやーハマっちゃったねwすごい楽しいんだよねえw先週も18万使っちゃったw
まじで!?
夜職のバブリーな金銭感覚にただただ驚嘆した。と同時に、彼女の先行きに不安しか感じられなかった。ホストにハマった女は風俗へ沈められると聞く。何が彼女の足をホストへと向かわせるのだろう、彼女の心にはどんな影があるのだろう、悲しいけど僕が何かしたところで救えるものでもないんだろうな、そんな事を思った。
ちゃんと考えてるんじゃないんかい!w破滅の未来しか見えないぞwそれじゃ1000万無理だろーw
仕事でヘトヘトになったあとに行くとめちゃくちゃ楽しいんだよねーw
もうそれ以上何も言わなかった。口で言ってどうにかなるものでない事は分かっていた。あえて救済措置を挙げるならば、自分がその通ってるホスト以上に彼女を魅了し奪い取る、これしか無いだろう。現実的ではない。
推しメンいるの?w
うんwまだ全然売れてないんだけどさ
応援したくなっちゃうんだ?
そー!w貧乏な家で育った人なんだけど、ホストで売れて稼げるようになろうと一生懸命なんだよねー
まおってダメ男好きでしょ
それ友達にめっちゃ言われるw
やっぱりw
前はもう1人いたんだけどねー、そっちは切ったw
なんで?
2人で互いの店行く約束してあたし6万使ったんだけどさ、この前向こう来た時2万しか使わなかったんだよー
ひどww
地獄を見ているようだった。2人で互いの店に行くとは、互いに売り上げの協力をするということだ。意味不明だ。その使われた額のうち、はたして自分の手元に帰ってくるのはどれほどのものだろうか。彼女らは売り上げという1つの尺度で形成されるヒエラルキーでより上位にいくために、店で稼いだお金をそのまま店に投じているのだ。オイシイ思いをしているのは店側だけではないか。店側は彼女らに競争を促すだけで、支払った賃金が勝手に返ってくるのだ。悪い大人に若者の時間とお金が搾取されている。私はやるせない気持ちになりつつ、彼女の話に爆笑した。
そうこうしているうちに肉が食べ終わった。会計伝票には7,828円と記載されていた。
(地元の焼肉屋なら、同じ値段ではるかにうまい肉をたらふく食べられるのに、、、)
それほど量を食べてなかったからか、思いのほか安かった。しかし2度と来ることは無いだろう。
酒・女・たばこ
タクシーを呼び、彼女の店へと向かう。ついにポシャリーマンのキャバクラデビューだ。着いたのは関内駅のほど近く。場所がいまいちわからないので、ここから歩いていくという。関内駅なんてピンサロか中華街に行く時しか利用したことがないが、周囲にはたくさんのキャバクラ店が立ち並んでいた。関内にはこういった顔もあるのだ。
10分ほど歩いただろうか、繁華街から少し外れた所の雑居ビルに着いた。入り口にはいかにもな雰囲気の看板が立ち、自分たちを出迎えた。奥のエレベーターへ乗り込む。店は2階だという。エレベーターの扉が開くと、私の視界は赤に染まった。入り口の真っ赤なベールに周囲を覆う真紅の壁は、まるで自分がおとぎの世界にでも迷い込んだかのように錯覚させた。まさに異空間だ。周囲を見回す私をよそに、彼女はどんどん奥へと進んでいく。黒服のボーイが現れた、サングラスはかけてなかった。
同伴で
そうボーイに言い残し、彼女はどこかへと消えてしまった。その場に立ち尽くしていると、黒服が物腰柔らかく店内へと案内する。まおの準備が出来るまで席で待っていてくれとのことだ。言われるがまま、真っ赤なシートが目を引くボックス席へと通される。テーブルにはバーにありそうな細長いメニュー表に、有料なのか無料なのか分からないミネラルウォーター、そして事件現場に転がってそうなどでかい灰皿が置かれていた。
席について待っていると、ドレスを着た1人のおっぱい女性が現れた。
(?)
まおではない誰かを見ていると、彼女からのあいさつがあった。どうやら、まおの準備ができるまでの繋ぎとして席に着くらしい。がっつり開いた胸元からたわわに実ったおっぱいを引っさげて、彼女は向かいの席に座った。指名しないと隣に座ってくれないシステムなのだろうか。適当にビールを注文すると、自分もドリンクをいただいていいか、とおっぱいが尋ねる。なるほど、そういうシステムか。サイパンのストリップにいるチップ連呼フィリピーナと比べ、なんて可愛げのあるねだり方なんだ。ここで断って変な空気にしては、何をしに来たのか分からない。もちろん快諾した。若干肌が荒れていたが八重歯が特徴的で、それ以上に圧倒的な存在感を放つおっぱいのおっぱいと、しばし当たり障りのない話をした。
15分ほど経っただろうか。今度は白いドレスを着た女性がやってきた。まおちゃんだ。下ろしていた髪は華やかに盛られ、レースの編み込まれたタイトなドレスが私のテンションをあげた。まおが隣に座ると、おっぱいが自分に空いたグラスを掲げる。
(?)
乾杯するんだよw
わけもわからずおっぱいを見ている私を見かねてか、まおはそう言って笑った。どうやら離席時に乾杯するのがキャバの作法らしい。乾杯を済ますと、おっぱいはどこかへと消えていった。ぐっばいおっぱい。
キャバに来たからと言って、特別話すことが変わるわけでもない。焼肉屋の時と同様、ノリだけで適当に話した。そうこうしていると、彼女が相方を呼ばないかと聞いてきた。もう深いことは考えずに、ノリで了承した。彼女が黒服に耳打ちすると、以前私が年齢当てクイズで盛大に外した、彼女の相方が現れた。
元気ー?相席屋以来だねw
来てくれたんだー
相変わらず掴みどころのない、おっとりとしたテンポで返ってきた。以後彼女の事はおっとりさんと呼ぶ。事前に言っておくと、全く好みではない。
LINE交換したのに、なんで連絡くれないのー
しまった、忘れていた。おっとりさんに興味は無かったが、まおちゃんの連絡先をもらうついでに聞いていたのだ。まさかこうして再会するとも思わずに。
オリラジ(ORIENTAL LOUNGE)の時、途中から全然しゃべんなくなっちゃったから、ああ、興味ないんかなあて思ってw
適当にごまかした。興味ないとはいえ、3人での話はけっこう盛り上がった。もちろんドリンクは好きなだけ飲ました。
シャンパンいこーよ、モエシャンモエシャン!
いいの?
(いいの?ってどういうことだ?ま、いっか!)
キャバクラと言えばシャンパンのイメージが漠然とあった。ゆえに、来たからには注文しようと思っていた。まおちゃんに手渡されたメニュー表でボトル一覧を見る。
(なるほど、、、)
ピンからキリまであったが、ピンでも2万、キリだと2桁万円半ばくらいだったように思う。モエシャンとドンペリ以外、聞いたことのない名前が羅列していた。
(ま、いっか!)
ごめん、これいこ!
そう言って2万のモエシャンを指さした。
ありがとー!
そう言うと彼女は黒服に注文した。
あ!タバコ買うの忘れてた!
そう、キャバクラと言えばもう一つ、タバコの火を嬢につけてもらうイメージがあったのだ。まおちゃんに火をつけてもらおうと思ってたのに、あろうことか買いそびれてしまったのだ。
買ってきてもらおうか?
あたしので良ければあるよー
そう言っておっとりさんはメビウスの7mmを取り出した。
ありがとう!意外とおっさんくさいの吸うんだねw元カレの影響?w
そんなんじゃないよーw
相変わらずおっとりと返ってくる。タバコを咥えると、まおちゃんが口元へとライターの火を寄せる。
一息深呼吸
天井に吹かれる煙をみて、人生のスタンプラリーが1つ埋まったのを確認した。久方ぶりに吸うタバコは、それはそれはうまかった。
間もなく黒服がボトルを手にやってきた。ポンッと軽やかな音があたりに響く。初モエシャンだ。続々とスタンプラリーを埋めていく。酒・女・たばこ、全てがその場に揃っていた。
うつつの国のポシャリ
どれほど経っただろうか、否!ポシャリーマンはしっかり時計を見ていた。入店が21:30頃、そして今が24:30、およそ3時間いた。時間も時間なので会計をお願いした。私の脳内試算が始まる。
(同伴料金が10,000円、、、1SET(60min)8,000円が×3で24,000円、、、モエシャンが20,000円、、、彼女らのドリンクが1,500円で、、、10杯くらい?、、15,000円、、、)
はじき出された額は約70,000円
(税込みで8万いかないくらいか、けっこういっちゃったなあ、、)
黒服が伝票を持ってきた。
息をのんだ。
厳密に言えば、そこには140,000円と打たれていた。まおは驚き、爆笑していた。
(やられた?ボッタくり?TAX+サービス料30%ってなんだよ、ここ日本じゃないのかよ。でも周りにも客がいて特に揉めてる様子は無かった。うっかり時間過ぎて4時間分取られてる?しかしそれにしても、、、)
私は考えることをやめた。必死に平静を装い、カードを差し出す。
カード払いですと手数料として10%上乗せとなりますが、よろしいでしょうか?
少し驚いた様子で黒服は言った。
(あんたら鬼かよ、、、)はい、、
会計を済ませ、力なくトイレへ行く。悔しさを込めた全力の放尿で、小便器の氷を溶かした。
まおちゃんと黒服に見送られ、1人エレベーターを降りる。外へと出ると、先ほどまでの非日常から真っ暗な現実世界に一気に立ち返らされた。寒空の下懐までも寒くなったポシャりおじさんは、事態を受け止めきれずしばらくそこに立ち尽くしていた。
どうしてこうなった、、
ブツブツとそう呟きながら歩き出す。コンビニで買ったたばこを吸いながら、行く当てもなく適当に夜道を徘徊した。
どれだけ歩いただろうか、ふと足を止めると、遠くに東横インが見えた。
(助かった、、)
ホテルへと向かいつつ携帯を開くと、まおからLINEが来ていた。
(そうだそうだ!股くらい開かんかい!)
ホテルのフロントに尋ねると、今からでも泊まれるとのことだった。6,300円の追い打ち、もうサンドバッグだ。しかしこの際、お金のことは考えないようにした。何よりせめてちゃんとしたベッドで寝たかった。死んだ顔で受付を済ませて部屋に入ると、絶望に打ちひしがれながらベッドへと沈み込んだ。
こうしてポシャリーマンによる鮮烈なキャバクラデビューは、多大な出費のうえノーセックスで幕を閉じたのだった。